感覚的なものを設計図面に反映できる
あり得ないようなことこそが大智鍛造所の強み
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ポイントは現場との協力体制
大智鍛造所の金型設計の特徴は、現場主義的な考え方にあると思います。
ともすれば設計者は、客先からの要求事項を自分なりの観点(経験等)で設計し、現場に提供する。何か問題が起きた時は製造過程、工法が悪いのでは?などと疑ってしまいます。
大智鍛造所では、鍛造グループ・品質管理グループとのコミュニケーションが活発で、常に意見交換しながら金型設計を行うことができます。”金型とは、その中で鉄をたたくもの”です。金型の中のニク(鉄)の流れ方は、設計の仕方一つでも違うし、鍛造の打ち方一つでも違ってきます。
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本当に良い金型かどうかは、現場で使われて初めてわかるものなのです。
だから、現場の人に 「打ちやすかったよ」とか、「無駄がないね」とか言われる金型が最高の金型だ、ということを痛感しました。
大智鍛造所は、日常的に現場の意見をすいあげた設計を行うことができるから、コスト削減等も実現できる提案が可能なのです。今までの実績、経験はもちろんですが、今この瞬間の現場との連携こそが、大智鍛造所の設計力における強さなのだと思います。
事実、私は技術・金型グループで設計を担当し、図面を書く事が仕事ですが、現在最も力を入れているのは、品管・メンテナンス・鍛造グループとの協力体制です。
感覚的なものを3Dデータに反映できる強さ
金型設計/製作でもっとも難しいのは、現場作業者の微妙な感覚と現場で手修正した金型の再現です。
2D図面では表しきれないハンマーマンのニュアンス的な表現やちょっとした手修正をどのように形にするかが非常に難しい。どんなに難しい2D図面、3Dモデリング作成をしても鍛造で形にならなくてはただの自己満足でしかありません。
そこで必要になって来るのは、ハンマーマンがどのようにしたいのか、どのように修正したのかを読み取る力です。とは言え、それを数値に表して図面を作成するには無理があるため、大智鍛造所では3Dスキャナー、3D測定器を導入しました。
目的は2つです。「再現性と効率化」
当初からの3Dモデリング技術と組み合わせえることで大幅な再現性と作業の効率化が可能になりました。今では一度修正した金型は彫り変えても100%再現されています。 これからもより良い物をいち早く取り入れ大智鍛造所の技術を進歩させていきたいと考えています。
提案力は、日々の社内コミュニケーションの賜物
お客様との最初の打ち合わせでは、当たり前のように、「こうした方がやり易いですよ」とか、φ26と言われたものを、「うちならφ25でいけますよ」とか言えるのは、各部署間で同じ様なやり取りを日常的に行っているからだと思います。
お客様がいてもいなくても、いつもお客様の方を向いた仕事を全部署ができているので、自然と材料や工数削減も考えているのです。その結果、お客様にも気持ちよく仕事を依頼してもらえるのだと思っています。そして、私たちは同じところに留まることをしないで、もっと、もっと、とさらに上を求めて取り組んでいます。口にはしませんが、”もっと”とは、「もっと良い製品を届けて、お客様にもっと満足して頂けるように」という意味。だから日頃の社内のやり取りが、そのままお客様への提案にもなっているのです。
お客様と接する営業や設計からだけでなく、工場でスタッフに声を掛けて頂いても、きっと同じ様な提案ができると思います。大智鍛造所は、会社全体がお客様の方を向いているからこそ、その強みを活かすことができるのだと思っています。